岡山市のオハヨー乳業株式会社は、モンゴル遊牧民が愛飲している馬乳酒の健康機能に注目して研究を重ねているが、2007年5月17〜20日に開催された日本栄養・食糧学会大会において、ある発表を行った。それは、岡山大学大学院自然科学研究科の宮本拓教授・坂口英教授らとの共同研究で、馬乳酒関連の酵母菌に血清コレステロール低減作用があることを明らかにしたものだ。
馬乳酒とは、モンゴルで子供から高齢者まで広く愛飲される乳酸発酵飲料で、一般的な酸度は0.7〜1.0%。モンゴルに古くから伝わる療法にも用いられ、その効能は、高血圧、通風、心臓病、肺結核、糖尿病ほか、多岐にわたるとされる。主に乳酸菌と酵母が含まれており、プロバイオティクスの観点からも、これら微生物の保健機能効果が以前から注目されていた。
オハヨー乳業と岡山大学大学院が行った実験の対象は、中華人民共和国・内モンゴル自治区・シリンホト市郊外の遊牧民家庭で作られている馬乳酒から分離されたS4-A株(サッカロミセス・セレヴィシエ属)。あらかじめ高コレステロール飼料を1週間与えたラット42匹を、@高コレステロール飼料摂取群、AS4-A株菌体5%+高コレステロール飼料摂取群、BS4-A株菌体10%+高コレステロール飼料摂取群の3群に分けて摂食試験を行った。3週間の摂食期間ののち、血液、肝臓中、糞に含まれるコレステロール量を測定、比較したもの。
その結果、酵母菌S4-A株は、コレステロールを体外に排泄することで、過剰なコレステロールの吸収を抑えることがわかった。コレステロールは人間の体を作るのになくてはならないものだが、その半面、過剰摂取が高脂血症につながることも指摘される物質。特に血液中のLDLコレステロールが酸化されると、血管壁に沈着したり、コブ状に隆起して血液の流れを悪くする。ひいては動脈硬化の引き金となることも少なくない。
オハヨー乳業では、これまでにも「L-55乳酸菌」を生かしたヨーグルト製品の発売など、プロバイオティクス研究を同社製品に反映させてきたが、今回の発表からはどんな製品が誕生するのだろう。生活習慣病が気になる世代からの期待が、ますます高まるところだ。詳細はオハヨー乳業。